【数学】入試数学で覚えておきたい小技

 


こんにちはラッシーです!今回は東工大に限らず、入試数学で覚えておくと便利な小技を紹介したいと思います。知ってる方も案外いらっしゃるかもしれませんね。

n次方程式の有理数解予想

これはもしかしたら知っているかもですね。
「n次方程式a0x^n+a1x^(n-1)+...an-1x^1+an=0が有理数解をもつときその解Xは
X=(anの約数)/(a0の約数)と表される。」
というものです。

【導出】X=q/pを代入して、両辺をp^n倍した後整理すると
q{a0q^(n-1)+...+an-1p^(n-1)}+anp^n=0のようになり、anがqの倍数であることが分かります(でなければ0になりませんからね)。くくる係数をqでなくpにすればa0がpの倍数であることが分かります。

これがあると、三次方程式や四次方程式等時々出てくる高次方程式の解がやみくもに代入するより早く求まります。例えばこんな感じでしょうか。

【例題】48x^3-106x^2+57x-9=0が有理数解をもつならば、その値を求めよ。

【解説(笑)】48x^3-106x^2+57x-9=0ですがぱっと見では文字が大きくてよく分かりませんが、有理数解が(-9の約数)/(48の約数)で表されると知っていたら、代入していって、割と早く1/3,3/8,3/2が出てくると思います。

離心率の簡単な出し方

教科書には離心率について全然載ってないので意外と知らない人がいるやつです。
「基本的な二次曲線において離心率、長半径、焦点間距離をそれぞれe,a,2cとおくと、e=c/aとなる。」

あまり離心率について聞いてくる難関大はありませんが、滑り止めにされるような大学に出題されたり、eの1との大小を使った図形や性質の確認をしたり、e=(焦点からの距離)/(準線からの距離)の性質から距離を逆算したり、まぁ使い道はふとした時にあるわけです。

離心率が知りたいなぁ~と思ったときに教科書に書いてあるe=(焦点からの距離)/(準線からの距離)なんか使ってたら時間が飛んでいきますから、さっきのもの同様時短テクニックとして覚えておきましょう。

【導出】文字数がやばいんで省略します。このサイトが割と細かく書いてくれているので導出についてはこちらをご参照ください。

ワイエルシュトラス置換

t=tanx/2と置換するやつのことです。
三角関数のめんどくさい積分やごちゃついた積分を全部きれいな有利関数にしてくれる伝家の宝刀です。困ったらこれ使え、と言われてるくらい有名ですね。名前は全然有名じゃないですが。

これ使うとcosx=(1-t^2)/(1+t^2),sinx=2t/(1+t^2),dx/dt=2/(1+t^2)
という風に直せてあとはなんやかんや積分できます。これも例を出しましょうか。

【例題】∫dx/sinxを求めよ。
【解説】普通にやるverと置換verをお見せしましょうか。

普通ver

1/sinx=sinx/{1-(cosx)^2}={sinx/(1-cosx)+sinx/(1+cosx)}÷2より、
∫dx/sinx=log(1-cosx)-log(1+cosx) /2=log√{(1-cosx)/(1+cosx)}=log|tanx/2|
部分分数分解、微分形の接触、半角公式等々盛りだくさん過ぎる、めんどくさい。

置換ver

∫dx/sinx=∫dt/t=log|t|=log|tanx/2|
置換するだけで楽すぎる。

こんな感じで結構便利なので、無論何でもかんでもこの置換するのは悪手ですが、困ったら使えるように備えておきましょう。

最後に

正直ワイエルシュトラス置換は難問界では有名なので数Ⅲ履修済みの東工大志望なら知っているかと思います。残り二つについては、二次曲線や離心率がテーマの問題は東工大では出ないので、有理数解予想の方だけでもせめて覚えといてほしいです。

他にも小技はいろいろありますが、面白いものを思い出したらpart2とか出すかもしれません。

ちなみに積分の解説で積分定数を書いていないことに気づきましたでしょうか?ヨビノリさんが結構好きで、受験生の時は今週の積分とか結構やってたんですが、皆さんも書き忘れられた積分定数の霊が見えてしまう前にしっかりと見直しして書き加えましょう。

それでは、皆さんが入試数学を手早く解けることを祈って、ここらで筆をおかせていただきます。

皆さんのご入学お待ちしております。




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